2005年07月18日

みんな議論が下手だったから

むかしむかし、だぁれも知らない遠いところに四つの勢力からなる国がありました。
ここの最高意思決定機関は、放っておくと長い長い沈黙状態になってしまうような会議でありました。

他に職を持つ議員たちが、忙しい合間に各自都合をつけて行われる ど平日の夜間開催の会議。皆、翌日学業あります。公務あります。そんなにだらだら長くもやってられません。やりたくもありません。
誰かが牽引しないと なかなか会議が進みませんから、誰かが積極的に引っ張ろうとします。その誰かになるのは 4つの勢力のうちの 1つの勢力から出ることがほとんどでした。
そこは、もともと「誰もやらないなら、わしがやっちゃる」っていう性格の人が多いとこなのでした。

しかし、毎回のように続くその構図は他の3勢力にしてみれば「主導権を握られている」 、「対等に扱われていない」と感じてしまいました。

遅々として進まない会議に痺れを切らしたあげくの、積極進行であることが大抵だったので、いささか荒い口調になっている人もいましたし、言わなくていいこと(説教っぽい感じ?)を言っちゃうこともありました。
振り返ると他にも公平と感じない原因となっただろう要素が いくつか考えられますが、「そこまで面倒見切れんわ」といったような事なのです。それが不満なのなら、そっちで解決してくれなければなんともならないんです。

荒い口調になってしまうことは内部でも問題になっていました。今回あった事象の引き金を引いたのも、再び繰り返されたそれでした。三つの勢力は会議後別途集まった席上で、もう一緒にやってはいられないという結論に。
一勢力側でも、いくらなんでもあの進行はないだろうと問題になり、3勢力に謝罪し再度今後についての協議をすることを決定。しかし、相手の怒りの先が発言した個人でなく、一勢力全体に対してだということには全く気づいてはいませんでした。

そして四勢力での協議。ここは謝り倒してでも何とか復旧したい一勢力でしたが、一方的に一勢力を悪とするスタンスで進行しようとする三勢力側。そして、三勢力側からでた中立の立場に立っていると自称する者の、あまりにも一方的かつ笑止な発言に一勢力側も復旧は困難と感じるより、むしろ復旧する必要性を感じられなくなってしまったのです。彼らは「もうこいつらとはやってらんない」という方向で一致し、その時点で復旧など考えない方向での流れに突入していったのでした。
そして国は滅びました。

遠い昔、どこかの世界であったお話です。
議場において、自分の意見を表現するのが下手(方向は違うけれど)な人たちが、たまたま集まってしまったための悲劇なんだろうなと私は思いました。

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